竹中@ノーブルジョーカー様
「〇〇系の一族」についてお調べいただきましてありがとうございます。
VC図面については、本物の図面(一般的な製図の体裁)をそのまま掲載している
資料は見たことが無く、「鋼製客車形式図1951(日本国有鉄道車両局)」でさえも
元図面そのままではなく、文字部分等についてはすべてキャプション表示となって
おります。
もっとも、VC図面そのものは一部が汚れていたり(私の持っている複写データ
についてのみかもしれませんが)、当時の書き方の文章なので、読み取りが困難
だったりしております。
「オハ31系の一族」に掲載されているオハ41の図面について考えられるのは、
オハ41の公式図面(VC図面)が存在していないため、タネ車であるオハ31の
座席減少車の図面であるVC03312がオハ41の図面であるというのが一般的な認識
として広まってしまっている(定員及び作図年月日が合致しないのですが)
のではないかと思われます。
スハ36の図面は存在する(VC03110)のに、VC03314が掲載されているのは謎を
深めてしまいますが…
なぜオハ41の図面が存在しないのかですが、前述した一覧表における戦時改造
車の図面(VC03105〜VC03112)の直前の図面番号であるVC03102〜VC03104
が欠番となっているので、ここに本来オハ41とオハフ40の図面があり、戦中戦後の
混乱期に紛失?焼失?などにより欠番となってしまった可能性があるのかなと
思います。
また、戦後の座席減少車(VC03311〜VC03315)について記述してある文献は
ほとんどなく、私の調べでもオハ35系だけで、唯一「鉄道ピクトリアル 別冊
国鉄形車両の記録 オハ35系客車」に通勤客車改造計画として改造内容と図面が
掲載されており、「VC図面には描かれているものの、実際にどの程度の両数が
施工されたかどうかは不明である。」とあるので、特にオハ31系とスハ32系
については、それこそ図面だけで実現しなかった車両(いわゆる幻の図面)である
可能性もあるのかなと思います。
その点からも、戦時改造車の図面(VC03105〜VC03112)と、戦後の座席減少車の
図面(VC03311〜VC03315)が混同されている原因になっているのではないか?
と思われます。
どなかか当時の事情を知っておられる方はいらっしゃらないでしょうか?
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