倶楽部メモ(792)

平成30年 7月18日〜 7月20日

帯色の見解など ・ 連合軍専用客車の帯色



投稿者

jfs

投稿日

2018年 7月18日(水)11時39分9秒

タイトル

帯色の見解など。

みなさんこんにちは、jfsです。
このたびは私の疑問に対し、クモイ103様、スハネ30生様、仙コリ様に
詳しいご説明、貴重な情報を戴き誠にありがとうございました。
私なりに一応の結論、見解を得ましたので、なにかスッキリした気分です。

まず、帯色に関してはクリーム帯が私の認識の黄色帯とは違って
20系客車の色であったために、目撃した車両の帯を白だと思い込んだ。
当時まだ幼い子供であった私は一等車=白帯という先入観で
クリーム帯の存在を知らなかったという事です。
従って、この時代の一等車はやはり全てクリーム帯であったという事が
どうやら真実でありそうです。

また目撃した車両は仙コリ様がご指摘の物、
つまりマイフ293であったことにほぼ間違いないと思います。
この客車について緊急調査したところ、
昭和30年の7月に返還されマイフ293となり、
帯色はクリーム1号であったこと、また31年の11月に廃車になり
台枠をオシ17に転用した事などが判明しました。
従ってこの客車の存在時期が私が目撃した30年8月〜31年10月の期間という
時期と見事に一致します。
他の営業用の一等寝台車は既に青帯に変更されたようで、
この時期白(クリーム)帯の車両は恐らく無かったという観点から、
目撃したのはマイフ293であったとの一応の結論に達しました。

シートピッチに関してはマイ38は1140oと確認しました。
私が話した1080mmピッチは供奉車から
一般車に改造当初のスイ38のピッチであり、
冷房化と同時に前位のテーブルとその周りの4つの
回転椅子を撤去してマイ38になった時に1140oピッチに改造されたことが判明、
やはり1080oは改造前の姿だったということで納得しました。

マイテのシートピッチに関してはスハネ30生様の説明の通り
窓割り寸法と合っていなかったということで納得です。
またベンチレータに関しても調査の結果ノッペラボウであった事を確認しました。

これらの結果を持って感じるのはNゲージの模型と言う物は
あまり正確な時代考証とかはされない物だなあと思いました。
ですからやはりNゲージの完成品は走らせて楽しむ物だということですね。

では、また機会を見てこちらの客車に乗車させていただきます。
ありがとうございました。




投稿者

スハネ30生

投稿日

2018年 7月18日(水)20時03分43秒

タイトル

Re:帯色の見解など

jfs様 疑問は解消していただけましたでしょうか。

当方の見解も、個人的推論の部分もあり100パーセント確実ではありません。
クモイ103様の投稿にあるとおり公式資料では【クリーム色2号が1等車の等級帯】
となっていたことは当方も存じていました。
しかし実車の各形式の残された写真(カラー・モノクロ)を繰り返し見ていて、
ほぼ白色に近い色(褪色しやすい色)であったと推測した結果、
より明度の高いクリーム色1号が塗られていたに違いないと確信した次第です。
現存する3両の保存車の等級帯に塗られているのはクリーム色1号であり
(時代考証を誰がされたかは不詳ですが)、
T社製の展望車のHO模型の帯もクリーム1号となっているので、
事実は間違いないものと考えています。
(約20年間悩んだ末の結論です)
 これも当方の推測なのですが、当時の設計者だった星晃氏の思い入れとして、
1等車の白帯を是非とも復活したかったと考えていたのではと思います。
そこで白に若干色味を加えた等級帯色を創作して、
遠目にはかつての1等車の白帯と見えるが、
連合軍から指摘された際に、別の色だと言い訳できるようにしたのでは
ないでしょうか。
その場合クリーム1号が白に最も近いということになります。
(一般国鉄客車の等級帯幅15cmに対して連合軍用車の帯幅は20cmなので
同色でも区別は可能であったかもしれません)

 jfs様はNゲージで客車を楽しんでおられるとのことですので、
旧型客車の模型を数多く発売していた
キングスホビーというメーカーをご存知でしょうか。
残念ながら数年前に廃業してしまいましたので模型の入手は困難と思われますが、
ホームページの製品紹介には実車に関する詳しい説明も載っていました。
時代別の等級帯に関しても書かれています。
【キングスホビーアーカイブ】で検索すると閲覧できます。
参考にしていただければ幸いです。




投稿者

クモイ103

投稿日

2018年 7月19日(木)20時17分24秒

タイトル

Re:帯色の見解など

jfs様

ご納得いただいたとのことなので良かったです。
今後ともよろしくお願いいたします。


スハネ30生様

お説とその根拠を伺い、理解いたしました。
改めて小生の考えを整理します。
全くの対立意見となるので2日間逡巡しましたが、
ある程度ストレートにならざるを得ないことをご容赦願います。


【1】クリーム色1号の用途

色番号は実用に供された順につけられた、というのはその通りだと思います。
引用資料によれば1号の用途は天井と便洗、
つまりあらゆる客車に普遍に用いられるものです。
昔から存在するこの色が筆頭に指定されたのは自然な事で、
その後に登場した“1等クリーム帯”が2号になっても
矛盾はありません。


【2】実際の帯色は?

小生は以前「2等の青帯が『青1号』ということは
1等のクリーム帯は『クリーム色1号』なのでは?」と思っていました。
今から14年前の平成16年、まだ手持ち情報がなかった小生が
この話題を出させて頂いた時のやりとりが、
当掲示板の過去ログ集で下記ページに収録されています。

主な話題(1〜515)
倶楽部メモSP 主な話題
 →客車の形式・色・標記の話題
  →客車の車体色・等級帯等についての話題
   →1等車のクリーム帯
     (クリーム帯色の色調について・晩年に白帯に戻ったか?)

その中からJIN様のコメントを引用させて頂きます。

> 投稿者 JIN
> 投稿日 7月15日(木)20時14分40秒
> タイトル Re5:1等車のクリーム帯
>
> こんにちは.
>
> 1等車のクリーム帯ですが,知人が当時大井工場に勤めていた人に聞いたところ,
クリーム1号よりも薄かったそうです.
> 昔の西武レッドアローや小田急通勤車のように,
やや黄味がかったアイボリーとのこと.

このやりとりの後、前述の如く模型で「ぶどう色1号+クリーム色1号」を
実際に作ってみました。
結果は白にしか見えず大失敗で、「全然違う!」と実感するに至りました。
少なくとも当時実見された一部の方が「黄色」と表現されている事実と矛盾します。

これらの事から、実際の帯色は「やや黄味がかったアイボリー」から「黄色」まで
幅があったことがうかがえます。
先日も申しました様に当時の塗料は退色し易く、
一定した色を保つことはできなかった、
と考えるのが最も自然な事でしょう。
であれば、指定された本来の色はその幅の上限、
すなわち感性次第で「黄色」と表現できるくらいの色という事になります。

それからかなり経った時、先に引用した「国鉄車両関係色見本台帳」に出会い、
小生の中で結論が出ました。
1等車の帯色は本来クリーム色2号であるものの、
実際の車両では退色してしまうものが多かったわけです。


【3】鉄道ピクトリアル−アーカイブスセレクション 10号 について

同書は小生も所持しておりますが、
掲載されたカラー写真は表紙を含めて不自然な色調のものが多く、
下記のスレッドで議論がなされています。

主な話題(1〜515)
倶楽部メモSP 主な話題
→客車の形式・色・標記の話題
 →客車の車体色・等級帯等についての話題
  →国鉄客車開発記1950(掲載写真のカラーエラーについて)

要するに、「1等車の帯は白かった筈」という編集部の思い込みで
印刷の色調が恣意的に調整されたのではないか、
そのため他の部分まで影響を受けて全体に白っちゃけた
不自然な写真になってしまったのだろう、という議論でした。

なお同スレッドの最後に「安全靴をはいたたぬき」様が
一見異論を唱えられている様ですが、
同氏が述べられているのは印刷会社のスキャナオペレータの事です。
「入稿時や色校正と呼ばれるやりとりの際の指示がない限り、
特定部位の色調をいじる事はありえません」
と述べられていますが、スレの議論は出版社の編集部のことですから、
編集部が色に関して誤った認識を持っていれば、
その通りの誤ったカラー写真が出来上がってしまうことになりますね。

またそもそも昭和30年に撮影されたカラーネガですから、
如何に星晃氏の所蔵で保存状態が良かったとしても、
撮影当時の色調が本の作製時点までそのまま保存されていた
とは限らない事にも留意すべきでしょう。

【4】現存するクリーム色1号の帯を纏った車輌 について

確かにご指摘の3両は“その時代”を想像する貴重なよすがで、
少なくとも雰囲気は良く整えられていますね。
しかし実物とは言っても、「色」は実物ではなくあくまで“復元”です。
特に件の帯色に関しては、今私たちが何とか得ている情報を超える確実なものを、
博物館が持っていることは期待できません。
復元の考証に携わったスタッフも、市販の書籍や
当時の目撃情報等から検討するしかなかったはずです。
しかも車両全体にわたっておそらく膨大な検討事項がある中で、
興味のない人には些細な点である等級帯の色調を、
どの程度重要視してこだわったかもわかりません。
保存車両の「色」は復元作業の結果であり、
保存資料そのものではないことにも留意すべきと考えます。


ご無礼を弁えず申し訳ございません。




投稿者

jfs

投稿日

2018年 7月20日(金)11時03分41秒

タイトル

帯色に関する最終見解

こんにちは、jfsです。
スハネ30生様、クモイ103様のコメントを拝見して、
お二方の見解が異なっていることに興味を覚えましたので
もう一度私なりの見解を述べておきます。

帯色が公式には2号で「黄帯」に近い物であったという文献は確認しておりますし、
過去にクリーム帯を「黄帯」と表現した方もいましたから、
その色が実際に帯色に使われたことを否定はできませんが、
実際には2号でなく1号のクリーム色が塗られていたことも十分考えられます。
私が目撃したマイフ293(と思われる客車)に関しては、
白もしくは1号のクリーム帯であった事は確信しています。
この車両は返還後の存在時期が2年であり、
営業に使われた形跡もほとんど確認できませんし、
黄色の帯色が褪色して白っぽく見えたという可能性は極めて低いと思います。

当時実際に帯色に使われた塗料の顔料が何であったかはまだ調査しておりませんが、
クリーム帯に使われた顔料を推定するなら、
クロームイエローかバリウムイエローの可能性が高いです。
カドミウムイエローは高価なので多分用いていないと思います。となると、
クロームやバリウムの黄色は紫外線に対して極めて弱く
太陽光により褪色して白っぽくなることは十分あり得ますから、
これは全く真実は永遠の謎ということになります。


あと当時のカラー写真はコダクロームでない限り、色再現は全くあてになりません。
また仮にネガカラーであるなら、今のネガカラーのようなマスキングフィルム
(オレンジ色のネガ)ではなく、そのようなネガからスキャンしても、
まともな発色は期待できません。
星晃氏がネガカラーを使われたのかは不明ですが。

最近の鉄道ファン誌にコダクロームによる
30年代のカラー写真が連載で掲載されていましたが、
コダクロームだからこそ比較的正確な色が残っているということになります。
30年代の国産フィルムなど酷い物で、50年以上経過した現在、
まともな色彩が残っている方が不思議なのです。
ですから、様々な紙面で見る客車の帯色など、
私は正確な物とは認識しておりません。
印刷現場でオペレータがスキャンデータをレタッチすることはありますが、
発注者の意図に反して勝手にレタッチすることは考えにくいです。

また博物館所蔵の客車の帯色が当時の物と同じと言う保証もありません。
あくまで「こうだったのだろう・・・」という域を出ない物との認識です。


スハネ30生様
キングズホビー社は当然存じておりますし、社のサイトや記事も確認しております。
この社のキットは3両保有しており、
37900とあとはスハニとスロハだったと思います。




投稿者

スハネ30生

投稿日

2018年 7月20日(金)15時18分11秒

タイトル

Re:帯色の見解など

クモイ103様 貴重なご意見をありがとうございます。

前々回の投稿の冒頭にも記していますが個人的推論を述べたもので、
決してクモイ103様の見解を否定している訳でないことは、
ご理解いただきたいと思います。

当方の鉄道趣味ですが、現在は模型製作に対象を絞っており
(元来は実車の調査研究が趣味の原点です)
今回のテーマに関しても模型的観点からの
推論が含まれていますのでご了承ください。

クモイ103様の見解内容に関して再考した結果としまして

【1】クリーム2号はマイネ40製造時点(昭和23年)に
  新調されたものかが疑問です。

【2】当時の塗料は褪色しやすいのは明らかで、時間を経た場合、
  クリーム1号・2号どちらも白に近く見えていたと考えられる。
 話が飛びますが、当方が幼少の頃(昭和30年代中頃)  
中央線快速の101系電車でやけに色の淡い
(近鉄特急のオレンジをもっと白っぽくした感じ)車輌が
編成中に数量混ざっていたことをはっきり覚えています。
後年になり朱色1号の褪色がひどく
関係者が対策に苦慮していたことを知りましたが、
当時の塗料(顔料)が褪色しやすかったのは確かだと思います。

【3】印刷物の色はあてにならない・・・
例に挙げた鉄ピク・アーカイブス10号ですが、
グラビア2頁に大きなエラーがあり編集時に恣意的に色彩を変えたのは明らかです。
同書の写真の色は  信頼に値しないことを改めて認識した次第です。
同書のマイネ41のカラー写真は
ネコパブリッシング刊【RMライブラリー100号】にも掲載されている・・・
こちらの色彩再現の方がマシだが、
古いカラー写真の色はいずれにしても参考程度に捉えるということですね。

【4】博物館の現存車輌の信ぴょう性ですが、クモイ103様の見解から、
考え直してみる必要がありそうです。
現場スタッフにどれほど詳しい人間かいるのかということです。
 クリーム2号の塗料は調達困難(昭和39年以降の色見本台帳から
抹消されているので、JR工場に現物はなく新たに調合の必要がある)一方、
クリーム1号なら直流機関車等に現行使用している塗料なので
容易に調達できるため整備の際、等級帯に使用した・・・とも思えてきました。

いずれにしても過去の正しい事実を知ることの困難さを痛感しました。
クリーム1号か2号かの答は当方の胸にしまっておくことといたします。

 jfs様の投稿がきっかけで皆様の異なった見解を拝読する機会が持てたことは、
とても有意義であったと思います。
等級帯に関して疑問を抱いている方は少なからず、おられることと思います。
それらの方々にも関心を持ってコメントをご覧いただけたなら、
この掲示板の存在意義が有効に機能していることと思います。
今後とも【客車倶楽部】の発展を願って、今回は終わりにしたいと思います。




投稿者

jfs

投稿日

2018年 7月20日(金)18時52分41秒

タイトル

連合軍専用客車の帯色

こんばんは、jfsです。
この度の一件で皆様には色々とお世話になり大変感謝いたしております。

実は衝撃の事実が判明しました。
先日仙コリ様にご紹介いただいた「知られざる連合軍専用客車の全貌」を
昨日早速買い求め掲載の記事や写真を興味深く閲覧いたしました所、
軍名CARSON CITY 1408
マロネ37125の帯色が白でなくクリーム(1号)であった事を発見しました。
これは昭和26年10月に軍関係者が撮影した物で
恐らくコダクロームで撮影された物と思われます。
帯と共にサボが写っており、サボが真っ白の地肌であるのに対して、
帯色はまさにスカ線のクリーム色であるのです。
帯の下の形式記号についてもこのクリーム色表記です。
またカバー裏表紙のオロ369 SARATOGA 2370の写真では
その軍名番号がクリーム色、帯は真っ白になっているのです。
他の写真に関しては帯色も軍名番号も同じ色(白と思われる)
あるのですが、もうこうなると、
言ってみれば何でもアリだったのではないか・・・という印象さえしてきます。
この写真に関しては画面に白とクリームが映り込んでいるので、
非常に比較しやすい物です。
是非ご覧になって下さい。




投稿者

クモイ103

投稿日

2018年 7月20日(金)22時35分1秒

タイトル

Re:帯色の見解など

スハネ30生様

乱暴な物言いになってしまい、重ねて非礼をお詫び申し上げます。
今回改めて自分の考えを文章にしてみて、
これもまた推測に過ぎないのだという事を認識いたしました。
いつかこの“クリーム帯”の真実が明らかになることを願って、
これからも各種の情報をひも解いていきたいと思います。
真摯なご対応ありがとうございました。

jfs様

色材に関する詳細な解説、ありがとうございます。
なお星晃氏の写真をうっかり「ネガ」と書いてしまいましたが、
ネガかどうかわかりませんね。

ここからは余談になりますが、
小生も模型と実物を両目で睨みながらの趣味活動です。
ただ最近は工作の手が停まっており、いかんなあと思っているところですが…
お話しに出たキングスホビーの末期に客車キットの設計を担当していた人は
小生の知り合いでして、実物に関する情報もいろいろやり取りしていました。
彼も“帯色問題”にはお手上げだったようです。

さらに余談ですが、同社のメーカー完成品は等級帯の幅が1.2mmで、
実物換算180mmになります。
実際は皆さまご存知の通り150mm、
スケール1/150のNゲージならちょうど1mmが正解です。
かつて主要部分を金属だけで構成し
Nゲージとしては超重量級だったキングスホビーのキットに、
プラ製部品を積極的に取り入れて軽量化を推進した“改革派”の彼ですが、
1.2mmの帯幅は変える事ができず
(それ以前に同社完成品を購入した人が困ってしまうので)、
不満だったと察します。




投稿者

クモイ103

投稿日

2018年 7月20日(金)22時51分12秒

タイトル

Re: 連合軍専用客車の帯色

jfs様

お話を受けて「知られざる連合軍専用客車の全貌」を改めて引っ張り出しました。
カラー口絵にある連合軍兵士のスナップ写真ですね。
確かに帯の色はクリーム色1号に近い印象を受けます。

正直、連合軍専用車の世界には小生まだ十分踏み込めておらず、
この本を買ったものの恥ずかしながらしっかり読んではいませんでした。
ご指摘の点は、今後のため頭の引き出しに仕舞わせて頂きます。




 
 
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