いつも読ませていただいています。
先月「あけぼの」がついに廃止になりました。
「あけぼの」については臨時列車格下げとのことですが、同様に一度は臨時列車化された「日本海」や「きたぐに」が
ものの2年も持たずに廃止されたことを思えば、「あけぼの」も事実上廃止されたものと思っています。
そもそも車両の老朽化が廃止理由のひとつとして挙げられているのに、臨時列車化というのもおかしな話です。
郷愁を誘う夜行列車は私も大好きですが、ご存じのとおり、21世紀に入ってからの実態はひどいものでした。
私は末期の「彗星」や「日本海」に乗りましたが、青い車体の一部は剥げ落ち、くたびれた室内のアコモ、
10数時間の乗車にもかかわらず車内販売もなく、途中駅での停車時間も短く駅の売店にすら寄れない・・・
うっかり何も買わずに乗ったなら、それこそ大変な目に合う、恐ろしい列車でした。
粗悪なビジネスホテルと変わらない状況でしたね。
ごく一部の列車を除き、夜行列車に対してサービス改善の努力をほとんど何もしてこなかったJR。
航空機や高速バスに奪われた客を取り戻すことは今となっては既に手遅れです。
トワイライトエクスプレス、北斗星、はまなすなども、改造が加えられているとはいえ、
ベースの14系、24系は既に新造から実に40年以上が経過。
既に現在の他の交通機関のサービス水準からは大きくかけ離れており、近いうちの廃止を前提としていることは明らかです。
私は関西に住んでいますが、先日神戸から大分まで初めてフェリーに乗りました。
船内設備は充実。船内でのミニコンサート、充実したバイキング形式のレストラン、
出航時の銅鑼やテープによる演出など、他の交通機関では味わえないような驚くべきサービス振り。
もう一度乗りたいという気持ちにさせられました。
これで2等運賃なら、かつての「彗星」の半額くらいの運賃です。
夜行列車はフェリーにすら劣るものとなっています。
列車を商品として魅力あるものにしていくことに早くからもっと力を入れておれば、
夜行列車ももっと違ったものになっていたかもしれませんね。
「ななつ星」をはじめとした豪華列車は出てきていますが、これは船でいえばクルーズ船。
移動手段としてのそれとは異なる、異質なもの。一般には縁のないものです。
全く違った発想で、夜行列車の復権を願いたいところですが、客レ全廃が想定される北海道新幹線が開業はもう間もなく。
電車ながら夜行列車として最後に残りそうなサンライズエクスプレスの285系も耐用年数を迎えたら、
そんな思いも永久に夢に終わってしまいそうです。 |