最近発売された鉄道ピクトリアルにも他の本にも「イネ・ロネは上流階級しか乗れなかった」という記述をよく見ますが、
実際はそうでしょうか?
「乗れない」理由はあくまでも2等は3等の3倍・1等は3等の6倍の運賃を払わなければならず、
当時の平均年収と比較して「非常に高すぎる乗り物」だった(故に昭和30年に1等寝台が2等寝台に格下げされた)ので、
必然的に金持ちと無料パスを持っている国会議員、外人観光客しか乗らなかったのにすぎません。
もしも、その様な「規定」があるのなら、内田百けん(表示されないので仮名で書きます)の「阿房列車」
(先生は借金してでも1等に乗った)は出来なかったと思う。
明治以降、一応「階級制度」はできましたが、実際は「皇族とその他大勢」という形であり、
御料車とマロネフ59(三直宮用)以外は「カネさえ積めば何でも乗れた」というのが現実なのです
(祖父が交通公社にいた関係で、祖母や父から聞いた話の中にこの話があります)・・・
現代に置き換えて、18歳の少年が「お金次第で」マイバッハやフェラーリを買う事が出来るのは日本位だという話
(欧米に限らず、他の国ではたとえ金持ちであっても「階級・階層による選別」があるので絶対にありえない)もあります。
現実、一等寝台を「道楽」で乗っていた(普段の生活を切り詰めても道楽に命をかける人はどの時代にもいました)
「普通の庶民」もいるだろう。
では何故、こういった「事実」を書かずに「上流階級の乗り物」という「空想的」な事しか書かないのだろうか? |