ようやく一段落した安房守でございます。
旧客、とは国鉄現場では在来型一般車と呼ばれたものですが、
この在来型一般車と言えば忘れてはいけないサボ、行先表示票がございます。
全盛期には各局1〜2社はあったと言われるサボ業者は、現在2社のみとか、
ウチとお取り引き頂いた会社も既にこの事業を辞めてしまいまして、
ホーロー引き鉄板のサボは新製困難になりつつあります。
常磐線に3系6本ありました在来型一般車列車、
一番長い列車は確か12か13両、でサボは24〜26枚となり、1枚1kgですから24〜26kg!
これを担いで高架ホームから地平ホームへ運ぶ(上りのがなかなか辛かったのを記憶しています。
吊り下げ式(客車側面のサボフック用の凸があるもの)が未だ多かった当時、
歩く振動が板を跳ねさせてうっかりすると髪の毛や首の皮を挟むのです!
もっとも中距離電車もサボでしたから、15両30枚ものも多くて「客車」だけの想い出でも無いのですが、
こちらは差し込み式で凸が無かった分運びやすいものでした。
秋田・福井は早くに差し込み式に変更されましたが、青森・水戸・長野は吊り下げ式が遅くまで残って板様です。
在来型一般車列車と他の列車の違いは何と言いましても放送です。
「×番線、○行き急行△が入線致します」で、ドア開けて客乗・・・は今日当たり前です。が、在来型一般車ですと・・・
「13番線は羽越線回り秋田行き急行・鳥海です・・・扉は自動でございません、列車停まりましたら開けて御乗車下さい」
となります。ホームのそこここからバタンキュッ!と扉を開ける音が響いて、これが「旅」の序曲でした。
発車の時も同様で
「14番線、金沢行急行・能登発車です!デッキの御客様は危険ですからデッキの扉をお閉め下さい!
・・・3605列車乗車終了っ!」
篭る人いきれと埃に煙る上野駅地平ホームの暑い夏が、汽笛と共に過ぎていた頃のお話でございます。
私信で恐縮ですが、下総守様、青列車様、御来訪ありがとうございました!
何分期日が迫った宿題なものでろくに御案内もせずに失礼致しました!またの機会に是非! |