いちおう理系(笑)のクモイ103です。(オロネ10さん、TKさん、個室と区分室の件、レス感謝です)
広軌にすると牽引力がアップするというのは、う〜ん・・・わかりません。
物理的に考えて、軌間とは枕木方向に関する条件であり、牽引力とはレール方向
(ないしは車輪の回転面)に働く力ですから、いわばx軸とy軸(ないしはyz面)の関係のはずですね。
それが影響有りという実験結果なら、ぜひその元情報を読んで、理論的な裏付けが知りたいです。
(オロネ10さん、どこでお読みになったか覚えておられませんか?・・・って、
もうお出かけになったのか)
なお、カーブなどでの安定性が増して、速度が出せるというのならわかりますが、
これは牽引力とは別の問題です。
さて、欧州と日本の、動力方式に対する考え方の違いは、これまでにも多くの論者によって
指摘され、分析されてきました。
RJ誌あたりには、そのへんのうんちくが頻繁に登場していたような気がしますが、
いま具体的に何年の何月号というのはわかりません。m(_ _)m
日本でも、かつては本線の長距離列車はすべて客車で、電車はしょせん短距離専用の
一段格下の存在でした。
まだ電化区間が少なかったのも事実ですが、仮に電化したところで、蒸機を電機に変えれば良く、
電車に長距離運用が務まるわけがないと考えられていたのです。理由は、
1.モーターの性能がまだ十分でなかった。
2.騒音で乗り心地が損なわれる。
・・・という2点に集約できると思います。
昭和20年代半ばの80系の登場は、当時のこの常識を打ち破って、電車による本線長距離運用の
先鞭を付けたものでした
。その後堰を切ったように、長距離用の電車が、そしてやや遅れて気動車が発達し、
優等列車に活躍するようになりました。
そして昭和39年の東海道新幹線開業で、その流れは一つの頂点をきわめたのです。
その背景としては、
1.日本には軟弱な地盤が多く、重い機関車をさらにパワーアップしても、性能を発揮できる
線区が少ない。各車両に重量を分散できる電車・気動車の方が、高速化の点で有利。
2.輸送力の増強に追われていた時代背景の中、世界一と言われる高密度ダイヤで、
駅での折り返しを効率よく行うには、機関車の付け替えなどまどろっこしくてやってらんない。
・・・ためだったというのが、一般的な見方のようです。
一方欧州ではこの逆で、
1.地盤が固く、線路条件が日本より有利なので、重い機関車でもバンバン走れる。
2.ダイヤにも線路配置にも余裕があり、機回しの手間は日本ほど気にならない。
・・・さらには、
3.最初に挙げたように、非動力車の方が乗り心地は有利。
4.国際列車が多いので、直通するのは客車だけにして、動力車は各国それぞれのものを
使う方が管理しやすい。
・・・などの理由で、客車方式が主流であり続けたと考えられます。
なお、機回しの手間については、客車の最後尾にも運転台を設けて、
そのままバック運転できるシステムが、早くから開発されました。
日本でも最近、大井川鉄道井川線で導入されていますね(理由は特殊ですが)。
なお、日本でも夜行列車には客車の寝台列車が残りましたが、これは、高速化の必要性が低く、
乗り心地を重視したことが大きな理由と言われます。
その寝台列車などでよく批判される発車・停車時の衝撃は、欧州のネジ式連結器では、
バッファーのおかげで全く無いという話です。
これは、昭和63年に「オリエント急行」が来日した時、話題になったはずです。
車掌さん、皆さん、大変長くなってすみません。m(_ _)m
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