昨日放送の「真相報道 バンキシャ!」で
震災発生以来、不通状態にある太平洋岸の
鉄道の去就についての特集がありました。電機が放置された常磐線や(牽引していた
貨物車両は、架線柱ともども、津波で流失した模様)や、電車が放置された仙石線が
紹介されましたが、大震災の事情を知らなければ「トワイライト・ゾ〜ン」風味かと
勘違いしかねない、これらの被災区間は、それでもやはり、異常な光景でした。特に
前者は、我が地元の一大主要導線の延長先ですから、尚更ですね。
鉄道が廃止されれば駅前も廃れるとして、高千穂鉄道跡の現況の引例がありましたが、
全面復旧に向け動き出した三陸鉄道と、防災計画に伴う集落移転に対応した駅移転の
可能性に鑑みて、直ちに復旧に着手できないJRとの温度差が浮彫となっていました。
三陸鉄道の取材では、収支云々以前に、地域復興の観点から、まず復旧ありき、との
スタンスが窺えましたが、これは、発行株式の半分を岩手県が保有する、設立区分の
事情を反映したものなのでしょう。
意外や、一関市も三陸鉄道の株主なのですね。南リアス線と一体的に捉えられがちな
大船渡線の起点である為かと想像しますが、先に言及した様に、大船渡線の沿線では
復旧の是非を巡り、葛藤が続いている様ですから、去就次第では、三陸鉄道の株式を
保有する必然性に話が及ぶのでは、などと余計な心配をしてしまいます。
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矢本以遠で、暫定的に小牛田区の気動車が運用されている仙石線は、現在、高城町〜
矢本が不通の侭です。この区間で特に被害が酷いのは東名・野蒜・陸前小野の各駅で、
意外や、海際の陸前大塚駅は然に非ず。それでも、津波を考慮するなら、手樽または
陸前富山から内陸側(丘陵気味の地勢なので、場合によっては国道45号線沿い?)を
迂回する事になり、その結果、蚊帳の外となる野蒜駅前に掲げられた、現行経路での
仮復旧を請願する看板には、切実な思いが感じられます。
早期復旧を優先するなら、気動車の捻出状況次第では、ひとまず、非電化での再開も
アリでしょうか。東北線への渡り線さえ確保できれば、各駅停車でも、仙台まで直通
させるだけで、従来の快速機能が、ある程度カバーされるのではないか、と感じます。
これは、同じJR東日本である東北線との並行区間があるのに、連絡施設を持たない
仙石線の状況を、もどかしく感じていた為の戯言ですが、この場合、多賀城や塩釜の
中心部が蚊帳の外になる点には、留意を要します。
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