先達の皆様方、「ED76109」です。また、御邪魔いたします。
雑魚様
>鉄道用語の語法を巡り、コアな検定騒動………なぁんて事は無いでしょうね
そういうことを仕事にできれば、趣味と実益があがってすばらしいことでしょうが・・。
残念ながら、「国語に係る教科書」のアドバイザーです。
本音を言うと、小生のポテンシャルの向上よりも
「ブルートレイン」に乗れるのではという「趣味」重視で引き受けた要素が強いです。
担当の方も「北海道からJRで(来たの?)・・。」と絶句されてしまいましたからねぇ。
(確かに、行きが「トワイライト」と「山陽新幹線」、
帰りが「さくら・はやぶさ」と「東北新幹線」利用の
0泊3日の強行軍でしたが・・・。今の歳では無理ですねぇ。)
そこで、今回は「教科書における鉄道風景(!?)」に係る戯言を述べさせていただきます。
いつものように先達の皆様方の話題にいていただけれは眼福の限りです。
1 平成7年に発表された「鉄道員」(浅田次郎作)。
ご存知「高倉健」さん主演で映画化された有名作品です。
教科書では、廃線を間近にしたローカル線(北海道の元運炭路線)の駅長のもとに、
幼い頃亡くなった娘が少女の亡霊となって訪れる場面を描いた部分が掲載されていますが、
事務室の「タブレット」や「信号機」の記述もあり、中々「鉄」色の濃い内容。
授業終了後生徒からは、「主人公の心理描写より
タブレットの説明の方が、熱心でしたよ・・。」の一言がありました。
(小生、思わず苦笑)
2 大正2年9月に発表された「出来事」(志賀直哉作)。
これは、大正時代の東京市内を走行する「路面電車」での作者の体験が、
そのまま小説になっているものです。
夏の昼下がりの疲れた乗客等の描写が、
あたかも自分が「路面電車」に乗っているように錯覚させられます。
さらに、電車に轢かれそうになった男の子が、
運転手の機転で「電気ブレーキ」や「巻きブレーキ」によって助かる
という部分では、子どもが助かったという安堵感とともに、
当時の「東京市電」の運転システムの一端を垣間見ることができます。
3 大正8年4月発表の「蜜柑」(芥川龍之介作)。
これは、作者が利用した「スカ線」の二等車の出来事をそのまま小説にしたものです。
二等車に「赤切符」で乗り込んできた貧しい少女の姿や態度に
作者は嫌悪感を感じるのですが、
トンネルを過ぎた踏切で少女を見送る兄弟達に
持っていた「蜜柑」を涙ながらに投げ渡す場面で、
作者は心の中に暖かな感動を覚えるという秀逸の一品です。
ただ、「鉄」的には、主人公が乗った二等車のガラス窓が
「下向き」に下りる仕組みになっており、
当時の車両に疎い小生にしてみれば一つ疑問となっています。
おそらくボギー客車の二等車だと思うのですが、
大正時代の横須賀線の二等客車はどのような構造だったのか、
スハネ16のように下降する窓であったのか。
客車の構造等に詳しい先達の皆様方からの御教示があれば幸いです。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
また、投稿致します。
以上、可能であれば宮脇俊三さんや種村直樹さんのようになれれば
という淡い仮想を描いた「中年客車鉄ちゃん」でした。
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