せっかく皆様が楽しく盛り上がっているところに水を差して恐縮ですが、
ど素人様の書き込みにある「雑形」という言葉、
用語の意味をおそらくご存知無い?と思われるので、
一点コメントさせていただきます。
「雑形」(ざつがた)とは国鉄内部の正式な用語であり、
その意味は、車両の構造が国鉄の標準設計によっていないという事を表します。
主に客車と電車の分野で用いられ、
客車の場合は標準設計が定められる以前の明治期のボギー車を含みますが、
主には私鉄買収車が該当する他、
変わり種として貨車から客車に改造編入されたナニ2500も含まれるなど、
要するに「国鉄車両にしては変なやつ」を指す用語が「雑形」であるわけです。
それがどうした事か、
押しも押されもせぬ国鉄制式客車の代表格オハ35やスハ43などを、
あろうことか「雑客」(=「雑形客車」)呼ばわりする誤用が広まってしまいました。
先日鉄道博物館を訪れた折り、蒸気機関車を指して
「でんしゃ」と言っている子供連れの親がいましたが、
まあ似たようなものと言えましょう。
それを違和感なく受け入れている人が少なからずいる事は、
客車の歴史を紐解く者として、実に遺憾なことです。
ではオハ35やスハ43などを何と呼べば良いのか?と言いますと、
国鉄の現場では、20系以降の固定編成客車との対比において「在来型客車」
と呼ばれていたとのことですので、本当はそれがいいのでしょう。
ただ、関係者でないファンが呼ぶには
「旧型客車」もセーフだろうと私は解釈しています。
なお、この件については、倶楽部メモ(354) 平成19年 1月 6日(土)の
私の書き込みもご参照下されば幸いです。
本掲示板の管理人様も、正しい用語の使用には理解を示して下さっていますので、
話の腰を折るご無礼を承知で書かせていただきました。
(私も思い出話に参加したいのですが、作文に時間がかかるので
ペースに付いていけず、失礼しております。)
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