倶楽部メモ:客車倶楽部過去ログ集:客車列車の旅
倶楽部メモSP
ステンレス車体について
客車にはステンレス車体の車両がなぜないのか?



倶楽部メモ(277) 平成17年 6月13日〜 6月25日

投稿者 ED12
投稿日 6月25日(土)11時46分16秒
タイトル ステンレス車体について
国鉄時代に、電機、電車等ではステンレス車体が試作や量産がされましたが、客車ではどうだったのでしょうか? 
試作や設計ぐらいはあってもよさそうに思いますが…。

投稿者 ア・ドン
投稿日 6月25日(土)21時07分11秒
タイトル RE:ステンレス車体
 設計は知りませんが、試作はありませんでした。客車の日本国内用ではE26系「カシオペア」が初ではないでしょうか?
 なお、日本国内でステンレス車が205系まで国鉄では本格実用化しなかった理由はパテントにありました。
国内純正では当時コスト・技術的にうまくいかず、アメリカのバッド社との技術提携した東急車輛が
国鉄に積極的に働きかけをして納入したのがキハ35 900番台でした。
ですが試作の10両を除き増備されることはありませんでした。
 これには東急車輛が気動車メーカーから電車メーカーへと国鉄より指定替えされたことも要因ですが、
もう一つは外国メーカーがパテントを保有していたことも関係していました。
当時の国鉄は基本的な部分はメーカーとの共同設計により図面を作りどのメーカーでも製造出来るように指導していました。
しかし外国メーカーがパテントを公開しない場合は他のメーカーが共同設計に参加できず
「足並みが乱れる」ことになるとのことでした。(シュリーレン台車がオシ17以外には使用されなかった例も同様)
また、以外に製造コストがかかることや予想よりも軽量化できないことも国鉄でステンレス車両が普及しない要因でもありました。
このほか、無塗装によるランニングコストの軽減が期待できたのですが塗装職場を失いかねないことになるので、
労働組合としては反対の方向であったようです。
このような事情があって国鉄ではステンレス車の実用化が遅れ、205系まで待たなければならないことになりました・・・・。

参考文献
 鉄道ピクトリアル2004年2月号
  キハ35系・45系特集〜オールステンレス製ディーゼル動車の嚆矢 キハ35形900番台〜より

倶楽部メモ(278) 平成17年 6月26日〜 7月 9日

投稿者 ED12
投稿日 6月26日(日)11時38分37秒
タイトル RE〃ステンレス車体について
ア・ドン様有難うございました。
それにしてもステンレス試作車体サロ153(900番代)製作の時期に
ステンレス客車試作の機運がなかっのが不思議に思います。

投稿者 EF5841
投稿日 7月 1日(金)22時32分28秒
タイトル Re:ステンレス車体
動力車にはステンレス車体がある一方で、客車には無いとのことですが、
旧国鉄部内の縦割り社会が影響しているのではないでしょうか。
動力車と客車では部署が異なり、意地でも作らなかったのではないかと推察されます。

投稿者 バンブー
投稿日 7月 2日(土)07時42分45秒
タイトル Re:ステンレス車体
ステンレス車体の客車が無い件ですが、試作という点と時代背景があるのではないでしょうか?
量産されたステンレス車は特殊条件の関門間専用の機関車のみで、電車等はあくまでも数量のみの試作であったためで、
もし電車等で量産されるような事があれば、その後の客車にも影響を与えた事は必至であったと思われます。

また、時代的にサロ153(900番代)登場の時期(昭和33年)当時はちょうど20系客車の登場時期であり、
当時製造されて客車は基本的に20系客車のみであるので、
その一部にステンレス車体試作車を混入するのは困難であったのではないかと考えます。

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