PR誌158号(1964(S.39).6月号)の「読者短信」に、「スハニ35の凋落」と題して、
次のような一文が寄せられています。
〜引用〜
去る3月29日川俣線に乗ってみた.
この線はDC万能の現代において数少ないSL+ハ1両(朝夕は3両らしい)のローカル線であるが,
この日のハは何とかつての列車”つばめ・はと”につながれていたスハニ3512であった.
昔日の栄光も遠く去って崩れかけた小卓を持つ一方向向き座席のこの車両,
わずかにデッキ上の(2等)標識のみが,ありし日を偲ばせて哀愁に満ちた老らくの姿を発見したので
ご報告申し上げる.
〜引用終わり〜
スハニ3512は、例の仙セン配置車の1両であり、”つばめ・はと”につながれたというのは
必ずしも正確でありませんが、昭和39年の時点で一方向向き座席だった事が示されています。
なお、特急以外では終端駅での方転はなかったはずです。
「つばめ」「はと」のスハ44系の予備車が、東海道急行に組み込まれる事がありましたが、
それも方転なしで往復したとの事です。
ちなみに、客車形式図などの情報を総合すると、スハニ35で近代化改造+転換座席改造を
受けたのは、4〜6の3両のみだったと推定されます。
この3両は、昭和40年代に入っても、東京−宇野間急行「さぬき」に使用され、
同形式中最も最後まで優等列車に活躍した様です。
なお、RF誌181号(1976(S.51).5月号)P.39に、アルミサッシ化され、なぜか観光団体専用列車用
の裾帯入り塗色になったスハニ356の写真が載っています(撮影時期不明)。
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